ストリートビュー批判の「Google の中の人への手紙」の海外での反響 - アンカテを読んで、Google の中の人への手紙 [日本のストリートビューが気持ち悪いと思うワケ] - higuchi.com blogを知った。
で、色々探してみるに Google Street View反応まとめ - へぼへぼプログラマ日記というまとめ記事があった。
僕が思うに、この問題は、
- 「私的であるか公的であるかが曖昧な」風景を、永続化していること
- それらの風景が将来、検索可能になるであろうこと
の2点をその風景に映りこんでいる「何か」の利害関係者が、「制御できないこと」に集約されているのではないだろうか*1
まず、気持ちが悪いだとかプライバシーがどうだという、感情的な反論の根本は「永続化」にある。Googleによって永続化された画像は「いつでも」「どこでも」閲覧することができ、かつGoogleが潰れるまでは取り下げられることは、おそらくないからだ。
そして、最大の問題は、これが将来OCRされて、無思慮に「検索可能」になることだ。Googleストリートビュー - Paradigm Shift Designで書いたように実家の表札が載っていた。よく見てみるとその表札は、言われて初めて僕の苗字だと判読できるようなぼかしが入っている。恐らくは自動的に判別して、機械処理で文字らしいところにはぼかしを入れているのだろう。
逆にいえば、いつでもOCRして永続化した風景を検索可能にすることができるということだ。
想像してみてほしい。表札を掲げると、1週間後にクローラーによってインデキシングされ検索可能になる世の中を。
ネットの世界はいい。お行儀のよいクローラーはキチンとrobots.txtを読むし、特定の人にしか読めないようにするための方法がある。
でも現実世界はどうだろうか。「制御できるようにすること」を、Googleはまじめに考えたのだろうか。
僕は、Google Street Viewを否定しない。永続化も検索可能化もバンバンやればいいと思う。だけれども、その風景の利害関係者によって永続化と検索を制御できるようにすることが前提だ。その前提がクリアされなければ、いつまでも盗撮の謗りを免れないし、最低のサービスだと思う。
まぁ、要するに、Google Street Viewが批判されるのは、利害関係者が制御できないからだという話で。Googleみたいな大企業は、こんなことを、ノリでやる前に制御する方法を考えなさいと、思う次第であります。
このままじゃ、不気味なおっさんサービスみたいなもんだ。
…表札や玄関に「No Street View Please!」とでも書けるようにすればいいじゃないか。鉢巻を付けていたら、遭遇しても顔にきちんとぼかしが入るとか…。
*1:無論[http://www.yomiuri.co.jp/net/security/goshinjyutsu/20080808nt0d.htm:title]にあるように、「問題があったら」削除を「依頼」することはできる