Paradigm Shift Design

ISHITOYA Kentaro's blog.

CODE version2 の日本語

今、まだ読み途中なんだけれども、CODEv2, 山形浩生訳は、本当に訳が悪い。
第二版出ているんだろうか。
誤字脱字、てにをは、文章そのものの性格。もうどれをとっても最悪。


まだ、誤字脱字は許せる。てにをはも・・・まぁ。


ひとつ、例を示すと

テストをしてみよう。以下の分を読んで、記述がもっともらしく聞こえるかどうか考えてみよう:


わたしは、バーチャルコミュニティは20世紀末のアメリカ人に、今世紀初頭の数十年間で失われたと多くの人々が信じているものを回復させると約束してくれるものだと信じている―それは安定したコミュニティ感覚だ。そうしたバーチャルコミュニティのメンバーたちに聞いてみれば、みんな回線上の電子的な衝動の交換以上のものがそこで起こっていると語るだろう。単なる仮想町内会ではない(中略)。それはWELLのフィル・カタルフォにような人が、夜遅くまで白血病で苦しむ子の世話をしていて、WELLにログオンして自分の苦悶と恐れを語る時に、他の人たちからくる慰めでもある。人は地理的なコミュニティでやるのと同じように、ネット上で本当にお互いを気にかけ、恋に落ちる。そしてその「仮想」接続性こそが、ますます公共生活の断片化と利益団体の極端化と都会存在の阻害について不安を覚えるようになってきた国において、本物の希望のしるしなのだ。

CODE VERSION 2.0、第一般、第六章「各種のサイバー場所」、118-119ページ

この文章は、一字一句そのまま引用しているんだけれど、はっきりいって、日本語がひどすぎる。
後段の文章は引用で、引用だからこそ「引用元の文章」にあたって、中略で何が削られているのか確かめないといけないと思うのだけれど、絶対にあたっていない。


僕が一番知りたいのは、LAWRENCE LESSIGの文章が元からこんなに軽薄なのかということだ。文体がすべて口語。時たま戻るけれど。元からこういう文体なら何もいわないが、日本語訳で歪められているのなら許しがたい。…と、訳者を疑ってしまうほどにひどい。


山口浩生さんも悪いけど、それに輪をかけて翔泳社の編集担当者がものすごく悪いよ。
文章校正はもちろん、文字校正すらしていないってどういうことなんだ。


まぁ、締め切りが迫っていてあせっていたのかもしれないけれど、原文に当たらないと意味が抜け落ちてしまっているのではないか、と不安になるほどひどい。
この本があまり売れない理由もわかる。


なんだかなぁ。2800円もしたのに。
正誤表が出ていた。Lessig "CODEv2" Japanese Errata。本当に、これだけ!?