Paradigm Shift Design

ISHITOYA Kentaro's blog.

三浦綾子著、塩狩峠、読了

高校生の時に借してもらって読んで、大学2年生の時に自分で買って読んで、論文が終了して今年一冊目の小説は何にしようと悩んでいる時に、思い立って本棚から引っ張り出してきた本。

塩狩峠 (新潮文庫)

塩狩峠 (新潮文庫)


主人公の永野信夫の生い立ちから、信仰の道に入り、塩狩峠で殉教するまでの一生を描いた小説。


僕は確か、最初に借りた時「俺はキリスト教徒じゃないし」とかいう狭量というか視野狭窄というかアホというか馬鹿というか、そういうコメントを貸してくれた人に言ったような気がする。今からして思うと、この小説を読んでそんな答えしか出てこないなんて、どこまで素養がないんだ。とか思うけれど。


別に昔の自分を擁護するわけでもなんでもないけれど、本や絵や知識なぞは、いかに表現者が頑張ったところで、受け手にそれを受け入れる準備ができていなければ、コンクリートの壁にボールを投げつけるようなもので、結局のところ受け手が吸収することはできないんだろうなと思う。これでもかと跳ね返していた表現が、だけれども経験を経るにしたがっていつの間にかすうっと何の抵抗もなくしみいるようになる。


大学生の時に読んだ時は、傷心気味だったし、稚内に住んでいたということもあって塩狩峠は稚内から200kmと近かったし、小説の中の北海道の冬が容易に想像できて、大学2年生なりに感じるところも多かったと思う。この小説を読んで以後、三浦綾子遠藤周作あたりを乱読したような覚えがある。


そして今また読み返して、この2ヶ月それこそ非人間的に、パソコンの前に座ってずーっとカタカタやっていた自分を省み、生き方の大切さをもう一度考えさせられた。研究者であるまえに「人」であるべきだし、また「人」としての視点から忘れてはならないものを追求していくことの大切さを教えてくれる一冊。


2008年から31冊目。そして2009年1冊目。後49冊。