宮本輝著、にぎやかな天地(上)、読了
駅構内の麻里書房で平積みされていたので買ってみた。
宮本輝は見かけたら読むことにしている。
- 作者: 宮本輝
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
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僕は別にテルリストではない。
- 作者: 宮本輝
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
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この本も持っているし、宮本輝はほぼ全部読んだけど。
宮本輝の世界では、常に死と生が隣り合わせで、それがすべての小説の根底にある大きなテーマになっている。
にぎやかな天地では、たぶんドナウの旅人のような劇的な死は物語の中では訪れないだろう。
32年前の親父の死、9年前の阪神大震災の多様な死、7年前の祖母の死。
それらが、やわらかでゆったりとした物語の中に織り込まれている。
死というものは、生の一つの形なのだ。この宇宙に死はひとつもない。
きのう死んだ祖母も、道ばたの二つに割れた石ころも、海岸で朽ちている流木も、砂漠の砂つぶも、落ち葉も、畑の土も、おととし日盛りの公園で拾ってなぜかいまも窓辺に置いたままの干からびた蝉の死骸も、その在り様を言葉にすれば「死」というしかないだけなのだ。それらはことごとく「生」がその現れ方を変えたにすぎない。
にぎやかな天地、書き出しより。
下巻を帰りに買ってきた。明日の帰りの電車で読み終わるかな。
11冊目。
しかし麻里書房は金山駅の南口、アスナル、駅構内の三か所にあっていずれの店舗もとても小さい。
3店舗全部まとめてもう少し大きな店舗にしてくれればいいのに。
どこも品ぞろえがほぼ同じでつまらない。