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Paradigm Shift Design

ISHITOYA Kentaro's blog.

佐伯啓思著、自由とは何か、読了

読書

大屋雄裕著、自由とは何か--監視社会と「個人」の消滅、読了 - Paradigm Shift Designを読んだあたりで、Amazonで節操なく色々買って届いた本。


自由とは何か (講談社現代新書)

自由とは何か (講談社現代新書)


大屋先生の「監視社会における個人の自由とはなにか」という主題とは違って、「現代社会における自由の概念とはなにか」ということを真正面から論じた本。


本来自由とは、論じるまでもなく感じることのできる概念であったはずが、現代社会においては抑圧も規範も道徳も希薄になり、「自由であること」を実感することができなくなってしまっているために、「自由」について形而上学的に語られる機会が多くなっている。すでに漠然とした概念になってしまっているにもかかわらず「自由は大切か」と問われると、大切だという答えが返ってくる。
我々にとって、大切な「自由とは何なのか」ということを筆者は、現代自由主義の批判という見地から語る。


僕の理解としては、自由とは表層的には「個人の選択の自由」であるが、それだけで自由を理解してしまうと、人が自分自身の目的をもち実現するための前提条件であるはずの自由が自己目的化し、自由そのものが神に代表される超然的存在と同様の至高の価値を持ちはじめ、ために自由を漠然とした概念にしてしまう。自由に対する理解を「個人の選択の自由」という表層的な言葉で捕らえてしまうと、自由とは人が享楽を追い求めるためにあるもののように扱われてしまう。その先にあるのは享楽に対する欲望を最大化した「欲望自由主義」だろう。ということだ。


佐伯先生は、自由という概念の底流にある「選択に対する社会の承認」と「選択が義にかなうかどうか」という二つの次元を指摘する。この二つを理解してかつ、常に意識することで初めて、自由について論じることができるようになると述べている。


一度読んだだけでは、ちょっと理解が足らない。
大屋先生の視点より、もう少し学術的で形而上学的だった。しかもわかりやすくて、自分が知りたいと思っていたことがおおよそ書かれていたので小躍りしてしまった。
大屋先生の本を読む前に読みたかった。


28冊目。