Paradigm Shift Design

ISHITOYA Kentaro's blog.

上を向け!

昔の日記.2004年06月15日

稚内に越してきて、プログラミングや自分のやりたいことやこれからの道しるべのようなものをある程度見つけられたけれど、自然の雄大さや素晴らしさを身をもって体感できたことが一番の経験だと思う。
都会に住んでいると、新宿の高層ビル群の間から朝日が昇り、住宅街に沈み行く夕陽が家々を茜色に染めていく、そんな想像しかできない。北海道で暮らしていると朝日が人間のために昇るのではなく夕日が人に夜を告げるために紅く燃えるのではなく、地球と太陽が飽きることなく繰り返している自然の営みなんだ、あぁ、と感慨にふけることができる。


東山魁夷さんの絵を見ると、自分がその絵の中に入り込んで魁夷さんの吸い込んだ空気を自分も感じることができる。そういう想像ができるのも、北海道に来たおかげだとおもう。


北海道に住む人たちは、自分の住むこの土地をどのように捉えているのだろうかとたまに不思議になる。
去年の今頃、キャンパスに赤インキをぶちまけたような夕日が見れたことがあった。
大学に用事があって新館の前に車を止めると中から二人の女子高生が談笑しながら出てきた、空は見ていなかった。そのまま、空に見とれたり夕日をしばし眺めたりすることなく、二人は学校の前の坂を夕日を浴びながら帰っていった。


慣れとか見飽きたとか毎日のことだとか。そんなもんなのかなとおもってすごく怖くなった。自分の中でそうやって消化しきってしまったことはいくつあるのだろう。
本を読んで疑問を持ったり、人と話して感動したり。そういうことが少しずつできなくなっていくんじゃないか、気がつくと自分が埋もれていって這い出せなくなるんじゃないか。


毎日何かに感動すること、何かに触れたら考えること。


当たり前のことが当たり前にできれば、世の中楽しく過ごせるのにな。何で俺もみんなもなんか下向いて生きてるんだろう。

・・・やりたいことが見つかったか.よかったな俺.