Paradigm Shift Design

ISHITOYA Kentaro's blog.

海東青―摂政王ドルゴン,読了

海東青―摂政王ドルゴン (中公文庫)

海東青―摂政王ドルゴン (中公文庫)


んっと.
やっぱ,井上祐美子さんはもう少し修行したほうがいいと思う.
もう,この人の本は買わない.


一点言えば,状況の説明とドルゴンの心情と台詞がごちゃ混ぜになっていて,テンポよく行けばいいのだけれど,不協和音になっていたと思う.
説明しなくてもいいところはできるだけ割愛して,人物の描写や台詞を通して説明がなされていれば,こんなに違和感はないと思った.
少なくとも読んでいて物語に没入するというよりも,歴史の教科書を読んでいるという感じだった.


想像力の問題かもしれないけれど.
あとはね,シュルガチとチュエンとダイシャンの描写が,中原の虹と違ってコスイやつみたいな感じだったのがちょっと悲しかった.
いや,浅田次郎が,大分脚色しているのも分かっているし,むしろ井上祐美子の描写のほうがもっと人間くさいような気もするけれど,なーんかもっと掘り下げてもいいんじゃないの?っていう感じでした.


次は,陳舜臣司馬遼太郎かな.あぁこの二人と比べちゃいけないか.
江は流れず(陳舜臣),韃靼疾風録(司馬遼太郎).
どうせどっちも読むなきっと.